1on1から始めるチームビルディング

私の顧問先では
チームビルディングの一手段として
1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングを実施しています

1on1ミーティングの目的や効果、
実施上の課題については、こちらからご確認いただけます

◆目的と効果
http://k-sogo.jp/blog/archives/1579

◆実施上の課題
http://k-sogo.jp/blog/archives/1587

1on1ミーティングは
上司と部下、
リーダーとメンバーの1対1コのミュニケーションを通して行う
人材育成の一手法ではありますが、
人事政策上の「目標設定面接」や「評価面接」よりも意味的には軽く、
日常の何気ない会話や飲み会などでの育成よりは重い・・・
そんな位置づけであり、
面接が「義務」であるのに対して
1on1ミーティングは「推奨」といった感じです

この企業では
グループリーダーがメンバー(10名程度)に対し
毎週1回、30分以内実施することを推奨しています

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スタートして半年、
どんな変化が表れたか
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実施スタートから半年経過した昨年末に実施した
「1on1ミーティングについての評価アンケート」
の結果も出そろったところで、
昨日、
グループリーダー5名と個別セッションを行いました
(これもある意味で1on1ミーティング、ですね)

私は2か月に一度、
リーダーのケア(不安事を引き出してアドバイスすること)を目的に
セッションを行ってきましたので
今回は4回目となります

この5名は
当初は実施に対して懐疑的で
不安を抱えていた人たちでした

メンバーのアンケート結果(もちろん匿名)を開示しながら
半年間の感想を聞くことから始めました
特に、
実施前と現在の変化を中心に、です

皆さんから出されたのは次のようなことでした

△相変わらず実施への不安はあるが、進め方の要領がわかってきた

△メンバーとは実施以前もコミュニケーションを取っていたつもりだったが、
1on1ミーティングでメンバーから初めて不安事を聞かされたりすると、
実はコミュニケーションが取れていなかったことに気づいた

△自分の中で評価が低かったメンバーだったが
考えを聞くようになって、しっかり考えていることに気づいた

△「必要に応じて」とるコミュニケーションは自分にとってのものであって、
相手(メンバー)の必要には応えていなかったように思う

△メンバーが担当する業務の進捗状況の共有、
未着手の業務の対応策(優先順位と付けと方法)の共有、
メンバーの心身のコンディションの把握に効果を感じている

といったポジティブな振り返りが多くなったことに気づきます

一方で
▼(リーダーである)自分の業務も多く、1on1の時間が確保できない

▼メンバーからの相談は「要望」ばかりで、自分で判断しにくいことが多い

▼メンバーには「何でも言って」と言いながら、途中から説得している自分がいる

▼そもそも1on1ミーティングの必要性に疑問がある

といったネガティブな声もあります

また
メンバーの評価(アンケート結果)も
上のリーダーたちが感じているものとほぼ同じで
ポジティブに捉えているメンバーもいれば
ネガティブに感じているメンバーもいます

ここで注目したのは
スタートから3か月経過後の昨年9月末に実施したアンケートと
今回のアンケート結果の変化です

スタート3か月と6か月経過した今回では
1on1の有用性について
◎効果がある、上がった 27%⇒62%
◎効果は感じられない、上がっていない 54%⇒31%
◎どちらとも言えない 19%⇒7%
という変化が生まれた点です

つまり「良化している」ということですね

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働くモチベーションアップ
これが最大の効果
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アンケートによると
スタート前と現在の変化で
メンバー側に特に多かったのが
働くモチベーションの向上でした

特に新人など若手社員、そして30代前半の中堅組は
自分への評価を気にする傾向があるからか
1on1ミーティングで上司やリーダーから
「あなたのこの面は武器になってるから、さらに磨きをかけてほしい」
というような評価(フィードバック)を受けることで
自分への評価の不安が払しょくされています

また、
数名が参加するミーティングや日常の対話では
「周りの目や耳が気になって思うことを発言できなかったけど、
マンツーマンのコミュニケーションの機会では
考えや悩みも話せるようになった」
という評価も多かったです

このような評価は
上司やリーダーが「定期的に」かつ「継続的に」
1on1ミーティングを実施できている場合に限られていることも
大きな特徴と言えます

働き方や生き方について
その価値観がこれだけ多様になった今の社会では、
ひと昔前の「対集団指導」の効力が極めて小さくなったことの証でもあるでしょう

つまり
知識・スキルなどのナレッジ教育を除いては
対集団指導は成り立たなくなっているということです

1on1ミーティングに対して
メンバーや部下の高評価が増えているのは
上司やリーダーの意識の高さでもあり
スキルの高さであることも間違いありません

上司やリーダーの1on1ミーティングでの役割は
次の4つです
それは
◎現状の共有、課題の設定に「サポートする」・・・つまりコンサルティング
◎意識や行動変容を「促す」・・・つまりコーチング
◎知識やスキルを「教える」・・・つまりティーチング
◎自己受容・理解を「働きかける」・・・つまりカウンセリング

これを
部下やメンバーの現状・個性に応じて
テイラーメイドで対応すること

コンサルティングも
コーチングも
ティーチングも
カウンセリングも
何も難しいことはありません

部下やメンバーに
自分がどうアプローチし
どう関わったら
彼らの働くモチベーションが高まるのか・・・

それだけに集中すればいいのです

チームの業績やパフォーマンスを高めたいのであれば
効果の出る方法でチームビルディングすることです

またお目にかかりましょう

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